求人 広島の使える裏技

A氏は「本来なら、Sこそが最初にやっていなければいけないことだった」と言うが、まったくその通りである。 構造に内部矛盾を抱え込み、身動きとれなくなっているのだ。
I氏の誤算は、CDで成功した「ハードとソフトのシナジー」を追求するあまり、インターネットという媒体を肯定的に捉えすぎたところにある。 ITが流通革命という性格を持つ以上、価格破壊の波は既存事業の収益モデルを根底から脅かすことになる。
I氏は、ITのネガティブな側面にもっと早く気づくべきだった。 さすがに今のI氏は、このことを十分知っているはずだ。

かつてあれほど口にした「デジタル・ドリーム・キッズ」というスローガンを、今後、使うことはないであろう。 このような、ブロードバンドを介したハードとソフトの融合こそ、IN氏が強調してきたSの新しいビジネスモデルであったはずである。
他社よりも先にビジョンを掲げながら、行動力が伴わないということも、大企業化した神話企業の特徴であろう。 ただ、Sには、もう少し複雑な事情も作用している。
Sは、iのようなダウンロード型の携帯プレーヤーを、既に1999年に出している。 しかし、それは複雑な著作権保護のガードで固められていたため、ユーザーには極めて使い勝手の悪いものだった。
グループ内の音楽事業会社の収益基盤を守るために、ユーザーの視点が軽視されたのだ。 これでは、ソフトとハードの両事業を持つということは、シナジー効果どころか、ネットが普及すればするほど弱みとなってくる。
このような現象は、今後、ゲームや映画においても同様に表れてくるは2004年4月付の組織変更で、I氏の経営戦略の目玉とされてきた「ネットワークアプリケーション&コンテンッサービスセクター」(NACS)が廃止された。 NACSはI氏の狙う「ハードとソフトのネッワークでの融合」という方針を具体的なビジネスモデルにする使命を帯びた組織であり、リーダーには、野副正行氏(上席常務)がついていた。
国内ではビデオ機器事業を担当し、アメリカでは映画事業を軌道に乗せた功労者である。 I氏の思いを背にしている以上、成功すれば次期社長という噂まであった。
この目玉組織を、Sは「トランスフォーメーション」の初年度終了時点で廃止した。 電子マネー等に使われるICチップ技術の「フェリカ」と放送関連分野のみを本社預かりとした他は、パーソナル・ソリューションビジネスグループの傘下に移管されたのだ。
実行部隊が消失するということは、I氏が一時は「elSONY」などというほど事業ビジョンとして強調していた「ネットを活用したソフトとハードのシナジー」という方向を実質的に転換させたことを意味する。

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